【薄型ディスプレイシリーズ】キヤノン、NEC傘下の2企業買収(続き)

前回の記事→【薄型ディスプレイシリーズ】キヤノン、NEC傘下の2企業買収
NECが今回傘下の2企業を売却した経緯について考えてみたいと思います。
まず、近年のNECは「ソリューションビジネスの強化」と「脱半導体・電子部品」が大きなテーマになっている観があります。
ソリューションビジネスの強化、という線ではNECソフトウェアの100%子会社化に代表されるように、分散していた資源を集中しようとしている傾向があります。
脱半導体・電子部品、でいうと「DRAMの切り離し→エルピーダ発足」「NECエレクトロニクスの発足」「PDP部門をパイオニアに売却」がここ数年の象徴的な出来事のように思えます。
インテルのように、絶対的なシェア・存在感があるのであればともかく、半導体などの電子部品はどうしても需要の波があり、収益も大きくぶれやすい傾向があります。
携帯やネットワーク事業と関わりが強い部分(主にNECエレクトロニクス)はともかく、それ以外の部分については収益への影響が大きい割りには、相乗効果があまり見込めないため、外部へ切り離すことで資源の集中・収益の安定が図れるようになるわけですね。


古いリリースではありますが、ここ数年のNECの動きをまとめたものがありました。
NECグループの事業再編について~経営改革 第2フェーズへ~
まず、上記のリリースで目に付くのは・・・

1.半導体でもソリューションビジネス(携帯・ネットワークなど)と関わりの強い分野についてはNECエレクトロニクスに残す
2.あまり関わりが強くない分野(PDPなど)については、出資比率を落とす・他社に売却
3.その上で、事業の主体をソリューションビジネスに集中することを目指す

事実、ここ数年のNECは上記の戦略に基づいて行動しています。
例:
グループ企業の東洋通信機の水晶関連事業をエプソンに譲渡
本体から切り離したPDP製造会社をパイオニアに譲渡
ヒューレット・パッカードとのアウトソーシング分野での提携


今回の売却についても、比較的本業との関わりが薄い上、外部に売却した方が子会社の収益拡大につながる、という判断から行われたのではないでしょうか。

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