ジェイコム(2462)誤発注の検証

(12/12:解け合いについてさくっと書いてみました
2001年11月のUBSによる電通の誤発注(J-CoffeeさんのWEBページより)以来、久しぶりとなる新規上場銘柄の大規模な誤発注となりますね。
てっきり、発注株数のリミッターや警告機能がない端末で発注を出していたのかと思いきや、時事通信のこちらの記事によると、セイフティがあったにも関わらず、うまく働かなかったとのこと。
記事が消える可能性があるので全文を引用します。

誤発注は人為ミス=取り消しも効かず-みずほ証券
ジェイコム株式に大量の誤発注を出したみずほ証券の福田真社長は8日深夜会見し、担当者が注文株数と株価を誤って入力した人為的なミスが原因だったことを明らかにした。さらに画面上に出た「警告」を無視。担当者のアシスタントが誤発注に気付いた後に、東証に対して取り消し処理を数回出したが、東証のシステムに認識されず、処理は無効となったという。 

(斜線箇所は筆者による)
買戻しについては、産経新聞(共同)によれば、大部分は12/8の場中に解消できたようです。
ただ、同記事によるとまだ買い戻しの余地はありそうです。

同日のジェイコム株の売買代金は4213億円で、東証一部を含めてトップ。うち、みずほ証券の売買代金は3000億―4000億円に上るとみられる。みずほは8日中に買い戻せなかった株については「東証と対応を検討したい」としている。

なお、誤発注した株数は61万株ですが、みずほ証券が見積もった損失が300億円程度と考えると、思ったよりは買戻しの少ない可能性があります(といっても発行済株数の数倍はあるでしょうが)。


といっている傍から、12/09のジェイコム株の取引は終日停止になりました。
東証のWEBページより。

12月9日
● 売買の終日停止について
下記のとおり、売買を終日停止します。
記    
1.  銘柄  ジェイコム 株 式(コード 2462)
2. 期間 本日午前8時20分から当取引所が適当と認めるときまで
3. 理由 業務規程第29条第3号(売買の状況に異常があると認める場合
又はそのおそれがあると認める場合その他売買管理上売買を継続して
行わせることが適当でないと認める場合)に該当するため
(注)
1. 上記期間については、ToSTNeT取引についても売買を
停止します。
2. 他の上場取引所:なし


さて、今回の件について興味深いブログエントリがあったので、ご紹介します。
梵天丸トレード日録&言いたい放題!:電通上場の再来
梵天丸さんがどこからともなく入手した画像がアップされています。空気が読めてない注文がなんとも。
これは東証端末限定の情報なので、一般の投資家が見れません…。見れれば「誰かやらかしたな」とみんなで気づきそうなものですが。
いちカイにヤリ:投資立国 これがマル(無効)に出来ないようじゃ世界に向けて胸が張れないね、日本の株式市場
海外からみた踏み上げ太郎さんの見解です。今回の問題について的確に批判されていますので、一読の価値がありますね。
システム・制度面の不備、という点には納得できますね。
通常の商取引では、明らかに実勢と異なる値段が誤って提示されていた場合は、取引が成立した場合でも無効となるという話がありましたが、今回も基本的には同じことなのかな、と思います。
(ソース失念、見つけたら修正します)
(12/10:「解け合い」で解決する方法もありますが、正直今回の規模では無理かな、と踏んでいます。念のため追記しておきます)

ジェイコム(2462)誤発注の検証” への6件のフィードバック

  1. まいどです。
    最後の項、無効に売り買い落とすというのは「解け合い」ではないでしょうか。カブコム証の情報局で見ました。それにしても、モルガンスタンレー(JPN)、野村證はちゃっかりしてます。ミスを見逃しませんな(苦笑)。

  2. どう落とし前をつけるのか、みずほ証のジェイコム(2462.tk)誤発注

    だんだん、輪郭がはっきりしてきました。ことの顛末は、きのうのエントリも参考にしてください。それからとーますさんのエントリも。

  3. 本来であれば「解け合い」で解消すべき問題なのでしょうが、いっそなかったことにした方が面倒がない気が・・・。

  4. >o-miya氏
    損失が確実に出ている人のことを考えると、なしにして仕切りなおしにしたい気分です。
    逸失利益? うーん、損をしているわけではないので…

  5. ジェイコム株の誤発注で、東京地裁が東証に107億円賠償命令!

    巨額の賠償命令がでたようだ・・株の誤発注で損失が拡大したのは東京証券取引所(東京都中央区)のシステムのトラブルが原因として、みずほ証券(千代田区)が東証に約415億円の損害賠償などを求めた訴訟で、東京地裁(松井英隆裁判長)は4日、約107億円の賠償を命じる判決を言い渡した。常識ではあり得ない発注にもかかわらず受け付けてしまう東証のシステムの脆弱(ぜいじゃく)性が浮かび上がり、みずほ証券の業績悪化に…

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