ニッポン放送が新株予約権をフジテレビに割り当てる、という策にでました。
プレスはこちら
(「使用目的」ではなくて「主要目的」が正しいようなので、いじりました。法律については素人に毛が生えた程度の知識しかないので、こんな大ポカをやらかすことも^^;:2/26)
だいぶ前に日興CG系の投資会社とベルシステム24(の経営陣)が、ベルシステム24をCSKグループから切り離した手口と、よく似ています。
新株予約権を発行させる(特に有利な条件でなければ、取締役会で発行決議を出せます)→親会社の議決権を大幅に減らす→投資会社と経営陣ウマー
この時は、CSKは一度は訴訟を起こしましたが(なんせ親会社から一転してただの大株主)、最後はおとなしく引き下がり、保有していた株全てを投資家グループに売却しています。
閑話休題。
今回の新株予約権ですが、「主要目的」を巡って一騒動がおきることが予想されます。
新株予約権(新株発行でもよいですが)を発行する際、発行の目的となる「何で資金調達をするのか」を明示する必要があります。
ここであいまいな「発行目的」ではなく「資金調達」とわざわざ断るのか、というと日本では「議決権水増し」するための、予約権や新株の発行が認められていないためです(←大嘘です(w;。2002年に法律が改正されて、ポイズンピルと呼ばれる、一種の水増し策が認められています。ただし、事前に新株等の発行をする際に条項として付け加える(例:敵対的買収されそうになったら発行する、など)ことが必須なため、今回の場合はやっぱり無理ですね)
(そのために国会で、企業が敵対的に買収されないために、商法の改正を通じて株式発行の方法などなどをせっせと議論しているわけですね)
ベルシステム24の場合は、新規事業を行うという建前がそれなりに有効であったため、CSKはあまり争えなかったわけです(ウソでも新規事業を行うと宣言すれば無問題、ということらしいです。道理で変なファイナンスをする企業が、怪しげな新規事業を立ち上げるわけだ(w)。
しかし、今回のプレスリリースを見ると・・・
1.企業価値の維持→ほかの企業を買収する、既存事業を強化する、といったお金の使い道がまったくかかれていないのですが・・・。「経営権を握られたくないから発行しますた」としか読めないのは気のせいでしょうか?
2.公共性の確保→「経営権を握られたくないから(ry」としか読めません。
顧問弁護士(というかIR担当者)出て来い!(藁
法務関係の仕事をしている知り合い(大学時の専攻は商法、特に「主要目的」)と話したところ、ニッポン放送の対応にあきれ返っていました(w
また、直近の財務諸表(2004年9月)を見ても、お金に困っているようには見えません。自己資本比率85.2%の企業が、改めてファイナンスする理由の見当がつきません。
このあたりについては、
S.I.さんの猫の法学教室内の持株比率低下のための新株発行で解説されています。
ベルシステム対CSKの一連の流れについては、こちらのプレスリリース一覧を、平成16年7月20日から順を追って読むと大体わかります。「BBコール買収」という御旗を立てたベルシステム24の勝ちだったことがよくわかります。
マスコミは「ライブドアの負け、フジサンケイの勝ち!」とどこもかしくも(NHKは別かな?(w)凱歌をあげているようですが、この状況ではまだまだ予断は許しませんね。特に、ライブドアは社運を賭けているといっても過言ではないため、ここではまだ引き下がらないでしょう。
さてどうなることやら。
追記
磯崎哲也さんのisologueで、ライブドアは訴訟で勝てるのか?というエントリが立っていました。確かに「新株予約権」なので、なんとでもいえそうですね(w
追記2:
Darth Alexiosさんのところで、今回の件に関する解説がありました。法律面でしっかりと触れているので、一読の価値ありですよ♪
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極西リサーチ
2012年8月に立ち上げた書き物系サークル「極東基礎研究所」を前身とする、業界動向などを調査・分析している個人事務所です。 なお、本業のメーカー系シンクタンクでの仕事が多忙なため、現在更新が停滞しています。
有利発行じゃないと言い張るなら、その新株予約権1個でいいから寄越せ(カネは払うから)。
と言いたい。
声を大にして言いたい。
コメントありがとうございます。
>新株予約権
うーん、バナーズ(旧・松佳)対宮入バルブの際、新株の発行価額は「6ヶ月間の終値の90%以上であれば問題ない」との判例が出ています。
ニッポン放送の場合、今日から6ヶ月前までの終値を平均し、90%を掛けたところ、4700円ぐらいになりました(w
なので、「特に有利な発行」には当てはまらないと思って、このエントリでは触れていません。
うーん、新株じゃなくて、新株予約権(オプション)だからねぇ。
6,800円のものを5,950円で買える権利を336円で売ってる訳で。
更に、事実上の買値での引取条項付き。
しかも、TOB中だから、株価のダウンサイドリスクは限られてるし。
>o-miyaさん
確かに、結構おいしいオプションですね。
ただ、期間がやたらと短いのをどう評価するか、でしょうね。
「平成17 年3 月25 日から平成17 年6 月24 日までとする。」
あと部分行使ができないのもポイント。
持株比率低下のための新株発行
堀江社長は「(フジテレビが25%超を取得しても)ニッポン放送が1%でも増資すれば…
ニッポン放送の新株発行は無理でしょ?
はじめて触れます。
ライブドアと、フジの戦いを面白がって買った負けたで楽しんでいいのは、われわれ素人だけですね。
http://www.zakzak.co.jp/top/2005_02/t2005022401.html
あえて、夕刊フジを取り上げてみたんですが。 日本証券経済研究所の紺谷典子主任研究員は「勝負あった。フジサンケイグループは、村上ファンドにニッポン放送株を買い占められたときから対抗策を準備していたし、ライブドアとは資本の厚みが違う。一般の人は成り行きをおもしろがっ…
ブログを紹介していただき、ありがとうございます。
このブログは、すごく勉強になりそうなので、これからも読ませていただきます。
しかし、江戸の敵を長崎で討つというか。。。
http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/ex03/322706
>S-Iさん
ご来訪いただき、ありがとうございます。
自分は無知同然の身なので、ぼろが出ないようにいろいろと書きたいところです(w
今後の更新にご期待ください♪
>o-miyaさん
前回原告で負けているから、被告サイドに回った場合は勝てるとでも思ったのでしょうか(ありえないと思うけど)
どっちみち取締役(社外)としての責任を問われかねないから、必死にはなるでしょうけど>久保利弁護士
ライブドアvs???
←クリックをよろしくお願いいたします。
なんかライブドアとフジ・サンケイグループのニッポン放送をめぐる争いが泥沼化してきた気が…。ニッポン放送は23日、敵対的買収で同社株の40%超を取得したライブドアへの対抗策として、フジテレビに発行済み株式(約3280.