[一周遅れの書評]つなぐビール(嶌田 洋一 著、ポプラ社刊)7/26追記

生存報告がてら、久々の更新です。
仕事・プライベートで本を読んでいる割に書評を書いていないので、最近読んだ本を紹介します。

つなぐビール
ポプラ社
嶌田 洋一

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岩手県のクラフトビール醸造家、ベアレン醸造所のナンバー2である嶌田氏の著書です。内容は、ベアレン創業前夜から、本書が執筆された2015年ぐらいまでのベアレンの歩みがまとめられています。ネット上に出ているものだと、醸造所が完成するまでのまとめが中心なので、創業後の出来事を追いかけることができます。
さて、本書の面白さは「ものづくりベンチャーの“あるある話”」でしょう。
例えば、志というか勢いに乗って事業に乗り出したり、創業当初の人材も人とのつながりで集まってきたり。
経産省のベンチャー企業の経営危機データベースに収録されるレベルの失敗もあります。
また、技術者のこだわりとどう折り合い付けたのかも見所です。
特に、読む価値があると思うのが、会社(というより醸造所)が軌道に乗った2007年以降の話ですね。
会社の規模が大きくなると、部門間の意思疎通が悪くなりがちで経営者が知らないことも出てくる、全社的なまとまりもなくなるといった、大企業病が生じがちです。一方で、ベンチャー企業ならではの、社内体制が規模の拡大に追い付いていないという問題も起きます。
本書では、こうした問題に一つ一つぶつかるたびに解決しており、ベンチャー経営の教科書になり得ると思います。

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