最近任天堂が極めて好調ですね。
要因はいうまでもなく、DSとWii(およびそのソフト)の売れ行きが「異常なブーム」と岩田社長自らが発言するぐらい、好調ということにあります。
この好調さ具合の要因は、一言で言うとDSやWii「ゲーム機のあり方を大きく変えた」ことが挙げられます。
ファミコンからの家庭用ゲーム機の系譜をたどってみると、
第1世代:ファミコン(およびセガの一連のシリーズ)
日本における(アメリカだとアタリが先行)最初の家庭用ゲーム機世代といってよいでしょう。ここから日本における家庭用ゲーム機のマーケットが本格的に立ち上がったといえます。
第2世代:スーパーファミコン(およびメガドライブ・PCエンジンなど)
8ビットから16ビット化への移行、ボタン数の増加(4→6以上)、CD-ROM化(メガドライブ・PCエンジン)といった変化がみられました。
第3世代:PS(およびサターン、3DO、PC-FX、64)
32ビットへの移行(一部は64)、CD-ROM(光学ディスク)の一般化、3Dの本格化といった変化がみられました。このころから、CD-ROM化に伴って製造コストが下がったことから、ゲームの値段が劇的に下落した(8000円程度→6000円程度)ことも、大きな変化といえます。
また、家庭用ゲーム機メーカーの覇権が任天堂からソニーに移行したことは、市場の構造(ソフトメーカーの動向など)にも大きな影響を与えました。
第4世代:PS2(およびDC、Xボックス、GCなど)
変化は、機体の性能が上がったこと、ネットワーク対応が本格的になってきたぐらいでしょうか。
PS2が、
・PSとの下位互換性を保つことで既存PSユーザーを取り込み
・かつDVDプレイヤーとしては格安(当時)であることからDVDプレイヤーの新規購入層をもひきつけ
という要因で一人がちしたといっても良いでしょう。
ただし、機体の性能向上によって、制作費の高騰という問題が出てきました。
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ここまでは、遊び方に劇的な変化がもたらされなかったため、
・機体の性能を上げ、良好な(一般受けする)ソフトを多く確保でき、消費者へのアピールに成功した陣営が勝ってきた
といってよいでしょう。
特に、第3世代以降、セガや任天堂などPS以外の陣営が苦戦したことは、良好なソフトを自社以外で獲得できなかったこと、消費者へのアピールに失敗したことが挙げられます。
また、ゲーム機の消費者は「ゲーム好きの若者(特に男性)」に限られることから、基本的にはパイの奪い合いとなってしまい、「Winner takes all」状態になっていました。
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しかし、Wiiでは劇的に遊び方そのものが変わったことで、ゲーム市場に大きな変化が訪れました。
(続く予定)
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極西リサーチ
2012年8月に立ち上げた書き物系サークル「極東基礎研究所」を前身とする、業界動向などを調査・分析している個人事務所です。 なお、本業のメーカー系シンクタンクでの仕事が多忙なため、現在更新が停滞しています。