【防衛】英防衛機器大手BAE、米UDI買収で合意

ロシアの航空産業統合に影響されたわけでもないでしょうが、こんなニュースが。

英防衛機器大手BAE、米UDI買収で合意
 ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)英防衛機器メーカー大手BAEシステムズ(BA.LN)は7日、同業の米ユナイテッド・ディフェンス・インダストリーズ(NYSE:UDI)を39億7000万ドルで買収することで合意したと明らかにした。UDIは、米軍の装甲戦闘車であるブラッドリー戦闘車両を製造している。
 この買収金額は、UDI株主にとっては約30%のプレミアムとなる。UDIの株価は過去12カ月で約2倍に上昇しており、4日終値は前日比1.25ドル(2.19%)高の58.26ドルと、52週高値をわずかに下回る水準だった。7日終値は前週末比15.09ドル(25.90%)高と急騰し、73.35 ドルとなった。BAEの4日終値は前日比0.5%安の250.00ペンス、7日終値は前週末比4.25ペンス(1.70%)安の245.75ペンスだった。
 BAEは欧州最大の戦闘車両メーカーで、米国防総省の発注先のうち外国企業ではすでに最大規模。UDI買収によりさらにその足場を固めることになる。米軍の車両はイラクやアフガニスタンなどへの派遣で傷んでいる。こうした車両への支出は、国防総省の大規模な近代化計画である「次世代戦闘システム(FCS)」計画により増加が予想されている。
 BAEは7日、「世界的なテロとの戦争、イラクやアフガニスタンで進行中の作戦の結果、米国防総省は明らかに陸軍のシステム強化に重点を移した」との見方を示した。
 欧州の防衛機器メーカーはこのところ米国での事業拡大を目指し買収を続けている。昨年1年間だけをみても、英スミス・グループ(SMIN.LN)と EADS(5730.FR)が約15億ドルを投じて10社以上を買収している。大西洋をはさんだ買収としては、今回のBAEによるUDI買収はここ数年で最大規模であり、最も重要な意味を持つ。BAEとともにエアバスに出資しているEADSは、米空軍からの空中給油機の多額の受注を目指してロビー活動を強力に展開した。空中給油機に関しては、ボーイング(NYSE:BA)が2001年に受注していたが、国防総省は「他社への発注も検討すべきだ」との勧告を受けている。
 BAEによると、UDI買収資金は主に1億5000万株の新株発行で調達し、調達額は3億7500万ポンド(7億2130万ドル)を見込んでいる。買収に際し、UDIの2億1800万ドルの債務も引き継ぐ。
 BAEがUDI買収に当たり、どのような規制の壁に直面するかは不透明だが、昨年は米防衛機器メーカー4社の買収が実現した。

・・・・ん、BAEのことを「欧州最大の戦闘車両メーカー」と表記していますね。
ここ数年の統合で航空機以外にも手を広げているようです。
チャレンジャー戦車やAS90などの自走砲、レーダー、などなども。
ラインナップはこちらをご覧ください。
よくよく考えたら、陸上部門を持っていたビッカースがBAEに合流しているわけですから、とりたてて不自然ではありませんね。
2002年には、米国国防省との間で総額135百万ドルの受注に成功したとのこと。
詳細はこちら
逆に、航空機部門はタイフーン(ユーロ・ファイター社製)、ニムロッド、JSF(F-35のことを指す)、ホーク(練習機)の4つぐらいですね。
それ以外に合弁でエアバスや、グリペンなども手がけているようです。
さて、一方のユナイテッド・ディフェンス・インダストリー(UDI)は、米軍のブラッドレー戦闘車(歩兵部隊に随伴する装甲車)や、海軍向けの火砲、ミサイルシステムなどを手がけているようです。
特に、陸上戦闘車両が最大の強み(3/8付日経)とのこと。
BAEの業績が今ひとつ良くない(3/8付日経)ため、打開策として業績が良い(UDI)を買収することになった模様です。
また、比較的防衛予算が潤沢なアメリカに食い込む機会を増やすことで、企業価値を高めようとしているのでしょうね。
関連リンク:
戦車研究室‐第2次世界大戦~現代編→こちらの戦車(イギリス)、装甲車(イギリス・アメリカ)の項にそれぞれ今回取り上げた2社の製品が載っています(ブラドリー、チャレンジャー)


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