【雑感】上場する、ということ

ここんところ、フジテレビ・ニッポン放送の経営陣がホリえもんに対して右往左往するさまを見て、「上場する」ということについて思うところがありました。

上場する意義

上場できる、ということは取引所等の諸機関から「一定の水準を満たした企業」であることを認定された、といえます(時々、あとから「実は穴がありました」ってケースもありますが(w)
ここで、「上場企業」というステータスを得られ、信用力や知名度があがるといったメリットがあります。
(後述する資金調達が容易になる、という点も信用力の補完につながります)
また、マーケットの目を気にする必要がある(はず)なので、経営の透明化を図り、かつ効率的な組織運営を迫られることになります(というか迫られるはず)
※上場企業という信用を担保するには、「うそをついていない」という前提を守る必要があります(これを前提に投資家が取引するため)情報開示をきちんと行っていないと、投資家は離れることになり、ひいては取引所からの追放、と相成ります。
最近上場した博報堂DYホールディングスは、上常時には資金調達を行っていませんが、上記に挙げたメリットを得ることを第一として上場したようです。
くわしくはこちらのインタビュー記事をご覧ください。

資金調達への好影響

株式市場における資金調達は、上記に挙げた上場しているという信用があるため、投資家が安心して株式を購入→より良い条件で、返済を気にしなくて済む資金調達ができる、というメリットがあります。
また、市場における資金調達は(銀行などに比べ)定型化していることもあり、すばやく行えることも上場のメリットでしょう。

デメリット

これは、最初に挙げた「上場の意義」のうち、市場の目にさらされることが大きく影響します。
まず、市場の目にさらされることで、自分たちの思い通りの経営ができなくなることが大きいです。
(いわゆるコーポレートガバナンスの縛りですね)
利益を出さないと会社の存在は危うくなりますが、たくさん稼がなくても会社が回るのもまた事実です。
ただし、上場すると「株主」「市場」というものを意識せざるを得ません。
そこで、業績を安定させ、さらにたくさん稼ぐ必要に迫られたり、余剰資金を吐き出させられることになります。
しかし、「業績の安定」とは程遠い業態では、「株主」「市場」が会社経営に足かせをはめることに。
ゲーム批評Vol.55(2004年3月号)で、カプコンの元専務取締役であり、かつ名物プロデューサーであった岡本吉起氏が、カプコンを退社してゲームリパブリックを立ち上げた理由として、次のことが。
1.やりたいことが、上場している企業内ではできない
2..決算を意識するはめになり、決算期(大抵は3・9月)にタイトルが集中する→市場が活性化していないため、売れ行きがそれなりのものでしかない。また、無理にあわせてしまうため、ゲーム自体の質が落ちる
3.ある程度数字が取れそうな.ヒット作のシリーズに力を注ぐため、新作にエースチームを投入する、という冒険ができない。→新しいゲームが作りにくい、できても今ひとつのでき
そのため、自分の会社を立ち上げて、ゲーム作りを行うことにしたそうです。

総論

上場にあたっては、「信用の補完」「資金の調達」という市場が持つ力を生かすことを目的にすべきでしょう。それ以外の目的で上場した場合、かならずしっぺ返しを食らうことになります。
市場というものは、かくも恐ろしいところですからね。
・・・たとえばホリえもんとか(w
そういえば、ホリえもんが大変なことに(w
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