ちょっと前、雪斎さんのところで、「漢籍うんぬん」とコメントしました。
で、コメントした手前、何かに手をつけようということで、岩波からでている司馬遷の史記列伝 1を買ってきました。この本、史記の中から「列伝」とよばれる人物伝を取り出している本で、登場人物の著作から文章を引っ張っているなど、ちょっとお得な本です。
人物伝なので、結構さくさく読めます。
閑話休題。
老子・韓非列伝のなかで、韓非(「矛盾」という言葉の生みの親ですね)が書いた「説難編」から「説くこと」に関する引用がありました。ここで、さらに引用&適当に解釈してみます。
「すべて説くことのむつかしさは、説く相手(たる人君)の心を見抜き、いかに自身の説きかたをそれに適合させうるかにある」
(要するに空気を読んで自説に沿って説得するのが難しい、といったところでしょうか)
前振りとして、「知識で説き伏せることや、理路整然と話すこと、思う存分話す勇気(度胸、というべきか?)」は、さして困難なことではない、とのこと。
具体例:
利益を上げたい人に、名誉を得ることについて語ったところで「心にもないことをいって、現実に疎い」
ということで、干されるのが落ち
逆に、名誉を得たいと考えている人に「カネカネカネ」と言っても、「卑しいやつ」として干されるのが落ち
・・・どこかで見た構図ですね(w
ホリえもんと既存勢力の間で全然話が通じないのは、「道徳うんぬん」と説いてしまっているのが原因なのかな、と思います。
逆に、ホリえもんが「お金が云々」と説いているので、これまた相手に通じない。
正直ホリえもんには通訳がほしいところですね。(で、以前のエントリの話につながる)
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極西リサーチ
2012年8月に立ち上げた書き物系サークル「極東基礎研究所」を前身とする、業界動向などを調査・分析している個人事務所です。 なお、本業のメーカー系シンクタンクでの仕事が多忙なため、現在更新が停滞しています。
この韓非列伝の話から、ホリエモン論につながりましたか。
「漢籍」の効用というのは、何気ない記述から、現代に通ずる話を引き出せるということだろうと思います。
>雪斎さま
コメントいただき、ありがとうございます。
どうもホリえもんサイドと相手サイドで話が通じないように見えたので、しゃべっている言語(というかプロトコル)が違うとはうすうす思っていたのですが、ここまで明確な解が韓非列伝から出るとは思いませんでした。
ただ、あれだけ説くことの難しさ・危険さをわかっている韓非でさえも、人に陥れられて無念の死を迎えていることに、人に説くことの難しさが改めて感じられますね。
(プロトコルについては、下記をご参照ください
http://e-words.jp/w/E38397E383ADE38388E382B3E383AB.html )
ちびちび読み続けて、やっと第5章の孫子・呉起伝まで来ました。