前回の記事はこちら。
撤退が確定したようなので、富士通の薄型ディスプレー戦略について考察。
※撤退といっても、日立との共同会社については、持分の一部を持ち続けるので、厳密には「縮小」というべきかも。
「富士通」と「薄型ディスプレー」で検索をかけたところ、こんな検索結果がでました。
一番トップに来たのが「100インチ超」のプラズマディスプレー(厳密には違う)が製造可能になる、という記事。
1999年にはある程度の見通しを立てていたみたいです。
おそらく、PDP(プラズマディスプレイ・パネル)のシェアトップだった富士通としては、資本提携先の日立で拡販させて、よりパネルの供給量を増やそうという計画であったかと。
で、誤算となっているのは、市場が以外と広がっていないこと。↑の予測では、2003年の市場が300万台となっていますが、パイオニアの資料によれば、2004年3月の時点で122万台(2003年時点での予測)とあります。
その一方で、LCDが思ったより大画面化に成功し(で、シャープの業績が好調)、かつ国内ではパイオニアや松下のシェアが大幅に伸び(日立が思惑より伸びていない)、海外でもサムスン電子やLGなどの韓国・台湾勢がシェアを伸ばした、というのが1999年以降の誤算のもとでしょうね。
PDP業界で見ても、ソニー(自前ではパネル製造せず)やNEC(パイオニアに譲渡)が撤退するなど、そろそろ勝負がつきそうな展開です。
参考リンク
テクノタイムズ社:ディスプレイ・ハヤ読みNews・・・専門誌が提供するニュース一覧
Hanover Cafe – Business News Blog:
高性能プラズマテレビで巻き返しか-パイオニア
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極西リサーチ
2012年8月に立ち上げた書き物系サークル「極東基礎研究所」を前身とする、業界動向などを調査・分析している個人事務所です。 なお、本業のメーカー系シンクタンクでの仕事が多忙なため、現在更新が停滞しています。
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